Keeperを使ってKeePass 2.xのデータをiPhoneで読む
[追記 (2013-03-10)] Keeperがカスタムフィールドに対応したので、XSLスタイルシートを修正して、改行を含まないカスタムフィールドはKeeperでもカスタムフィールドとして扱えるよう修正しました。この記事内のXSLスタイルシートは最新版に差し替えられています。
[追記 (2011-02-27)] KeeperがURLフィールドとアプリ内ブラウザに対応したので、XSLスタイルシートを修正してURLフィールドをメモ欄から独立させました。
KeePass Password Safeはさまざまな機能を持ったオープンソースのパスワードマネージャーで、Windowsの他にMacやLinuxでも使うことができる便利なソフトウェアです。
僕はKeePassを使うようになって以来、ほとんどのパスワードをKeePassで生成するランダムな文字列にして、それらを全部KeePassに放り込むようにしているので、今やKeePassは僕にとってなくてはならないソフトのひとつになっています。
そんなKeePassですが、今までiPhoneで使うことができなくてとても困っていました。一応、iKeepassやMyKeePassというiPhoneアプリはあったのですが、どちらのアプリもKeePass 1.x系のファイルにだけ対応していて、僕が使っているKeePass 2.x系のファイルには対応していない模様… (MyKeePassは2.x系への対応を進めているようです。iKeepassは一向に日本のApp Storeでダウンロード可能にならない…)
以前はPCでこなしていた作業が最近次々とiPhoneに移っていく中で、パスワード管理だけが今までどうにもならず、あーでもないこーでもないと試行錯誤していたのですが、このほどKeeperというアプリを使ってiPhoneでKeePass 2.xのデータを扱う方法を発見したので紹介してみます。
もちろん脱獄は不要で、しかも無料の方法です。可能なのは読み取りだけですが、KeePass関連のiPhoneアプリが成熟してくるまでのつなぎとしては十分な方法でしょう。
1. Keeperのインストール
まずはiPhoneでApp Storeにアクセスし、Keeperをダウンロードします。
Keeper自体は「日本語がかなりアレだよね」とか「機能的になかなかアレだよね」とか「使い勝手的にちょっとアレだよね」というようなアプリなので、正直なところあまり使いたくはないのですが、このアプリには他のパスワード管理アプリとは違って、FTPを使ったインポート/エクスポート機能が搭載されています。
今回はこのFTPインポート機能を使って、KeePassのデータをiPhone上のKeeperに取り込みたいと思います。
2. KeePassからパスワードデータをエクスポート
KeePassのエクスポート機能はとても充実していて、XSLTを使って自由な形式でファイルの内容をエクスポートすることができます。今回はこのXSLTエクスポート機能を使って、KeePassのデータをKeeperでインポートすることができる5カラムのTSV形式に変換します。
KeePassのエクスポート画面 (File -> Export) を起動したら、↑の図のようにFormatにTransform using XSL Stylesheetを選び、エクスポートするファイル名としてkeeper.txtを指定します。
この状態でOKボタンをクリックすると、XSLTファイルを指定するためのダイアログが表示されるので、↓のXSLTファイルを適当な名前で保存して指定してあげます (view rawというリンクを右クリックして名前をつけて保存を選べば↓のファイルをダウンロードできます)。
複雑なことをやっているように見えますが、中身は単純です。
エクスポートされたファイルは↓のような内容になっているはずです。
3. FTPを使ってKeeperにインポート
↑で作成したkeeper.txtをFTPでアクセス可能なサーバーに保存します。
iPhone側でKeeperを立ち上げたら、「バックアップ → FTPインポート/エクスポート → テキスト形式で取り込む」とたどります。
keeper.txtを保存したFTPサーバーのホスト名、ログインユーザー名、パスワード、keeper.txtを保存したディレクトリのパス等を指定してすぐにインポートボタンをタップすると、あっという間にインポートが終わります。
インポートされたデータはこんな感じ。
グループもインポートされています。
シンプルなパスワードエントリーはこんな感じに。
フィールドをタップすると内容がクリップボードにコピーされます。
カスタムフィールドの内容はメモ欄にまとめて放り込まれています。
まとめ
これでiPhoneでKeePassのデータを見ることができるようになりました。ますますiPhoneが便利になりそうですね。
注意点
この方法ではFTPを使ってパスワードデータをやり取りしていますが、超極秘データを平文でかつFTPでやり取りするというのは、セキュリティ上かなりのリスクがあると言えます。
なので、ホームネットワーク内にFTPサーバーを立てて、暗号化された無線LANを通じてやり取りするようにしましょう。
僕は余っているUbuntu Serverを使いました。FTPサーバーソフトウェアはWindowsでも良質なものがあるはずですし、なければUbuntuをLiveCDで起動してproftpdでもインストールしてやれば大丈夫でしょう。
間違っても、レンタルサーバーに平文ファイルをFTPでアップロードしてFTPでダウンロードするようなやり方はお勧めしません。
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